30代の方であれば、「スキルアップをしたい」・「転職をしてキャリアチェンジをしてみたい」など、一度は自身のキャリアについて悩みます。30代のキャリアの悩みを放置しておくと、「夜が寝れない」や「不安な気持ちがずっとある」など、体調を崩してしまう可能性があり危険です。本記事は、キャリアに悩んでいる30代の方向けに、代表的な悩みと発生する原因を説明した上で、対処法を5つご紹介します。
【この記事でわかること】
・30代でキャリアに悩む人が多い原因
・キャリアの悩みを放置しておくことのリスク
・キャリアの悩みに対してどのような行動をするのが良いのか
30代でよくあるキャリアの悩みとは？
30代でよくあるキャリアの悩みとは、「勤務先への不満」・「周りと比較することで生じる焦り」・「結婚や転勤などの環境の変化」などを要因として発生する、キャリアや将来に対しての漠然とした不安のことです。
また、30代が抱えるキャリアの悩みには、男女で違いが存在します。「この悩みは自分だけ？」と思い不安になっている人も多いと思いますので、まずは他の人はどんなことに悩んでいるのか？30代の男女それぞれで多い悩みを、一緒にチェックしていきましょう。
30代男性に多いキャリアの悩みは？
30代男性に多いキャリアの悩みは、今後のキャリアに対する漠然とした不安、またキャリアアップしたいものの、どうすれば良いか分からない不安も多いようです。
また、30代男性は責任ある役職に就く人も増えることから、上司、部下との人間関係に悩み、そこから今後キャリアをどうするかと悩み始める人も多いようです。
30代女性に多いキャリアの悩みは？
30代女性においても男性と同様に、今後のキャリアに対する不安、キャリアアップに悩む人は多いです。
そして、女性特有の問題として30代から増えてくるのが仕事と家庭の両立です。結婚や出産と言った、人生に大きな変化をもたらすライフイベントにより、今後のキャリアに悩み始める人が多いようです。
30代に多いその他のキャリアの悩みは？
そのほかにも30代の男女で多いキャリアの悩みとしては、自分が評価されていないと感じる、仕事にやりがいを感じない、周りとの差が出てきての焦り、などを感じる人も多いようです。
30代男女いずれの場合においても、「今のままで良いのか不安に思っているが、どうすれば良いか分からない」という漠然とした悩みを感じ始めているのと、職場環境やライフイベントといった、自分の周囲の環境変化に起因して起こる悩みが多いことが見えてきます。
また、仕事やプライベートの変化が多いことから、自身のキャリアや仕事に行き詰まりを感じやすい方も多くいます。そういった状態だと、仕事だけではなく日常生活にも影響が出てくる恐れがあります。30代のキャリアや仕事の行き詰まりの原因と対策方法について、以下記事で解説しております。キャリアや仕事で行き詰まりを感じている方は必見です。
30代はキャリア迷子になる人が多い時期
キャリア迷子とは、自分のキャリアを今後どうすれば良いか分からない状態に陥っている状態を指します。
キャリア迷子に陥っている人は、自分のやりたいことや将来の夢といった進むべき方向性も、その状態を解決するための具体的な行動すら検討がつかず、精神的にも前向きになれない袋小路な状態となってしまいます。
株式会社グロービズの調査によれば、若手社員の半分がキャリア迷子に陥っているというデータも示されていることから、キャリア迷子に陥っている人は多いことがうかがえます。
参考：株式会社グロービズ20‐34歳の若手社会人のキャリア観に関する実態調査
さらにキャリア迷子に人は近年増えつつあると言われており、その原因にはさまざまな社会的な背景も関係しているとされています。
終身雇用の終了
終身雇用制度が薄れゆく中、職業選択の自由が広がり、30代での転職も珍しいことではなくなりつつあります。
しかし、その状況がかえってキャリア迷子が生まれやすい大きな要因を作り出している背景もあります。
従来のように一つの会社で長く働くことが減り、キャリアの選択肢が増えた結果、私たちは望むかどうかにかかわらず、選択の自由が増えました。
終身雇用制度が崩壊するまっただ中にいる多くの人たちは、その変化にどう対応すれば良いか分からず、結果、迷う人が増加しています。
また、終身雇用制度が薄れ、人事の入れ替わりも多くなることで職場の上下関係が希薄になり、人に相談しにくい状況が生まれていることも、キャリア迷子が増える一因になっていると言われています。
技術革新による変化
近年のAIの急速な普及は、AIやロボットが人間の仕事を奪ってしまう2045年問題として、これは社会的に大きな関心事です。
AIの普及により現在の仕事を追われる人が増え、キャリア迷子になる人も増加することが懸念されています。
しかし一方では、AI普及により必要とされるスキルや職種も生まれるため、この流れにどう上手く適応するかが、キャリア迷子になるかどうかのカギを握っているとも言えます。
新たな働き方の普及
新型コロナ問題を背景としたリモートワークの普及は、これまでにない働き方が普及する大きなきっかけとなりました。
結果、その波に上手く乗れない人たちにとっては、雇用面において不利な状況をまねく結果となり、キャリア迷子に陥る人を増やす要因となっています。
また、近年の政府による副業推進の流れは、企業側にとっては社内に必要な人材を求める必要性の低下、労働者側にとっては一つの会社に囚われない自由な働き方を生み出す要因となっています。
この流れは、新しい働き方で成功する人たちを生み出す反面、適応できない人たちにとっては不利な状況を生み出すことになり、キャリア迷子を増やす原因にもなっています。
日本人特有の性格
多くの日本人は自己肯定感が低く、真面目で常に頑張らなければならないという強い思い込みを持っている傾向があります。
この日本人特有の性格は、たとえ仕事が辛くても仕事を無責任に辞めてしまうと周りに迷惑をかけてしまうというプレッシャーとなり、続けることも辞めることもできないキャリア迷子の状態に陥る原因となっています。
30代でキャリアに悩む人が多くなる原因は？
そもそも、なぜ30代になるとキャリアに悩む人が多くなるのでしょうか？その原因を知っておけば、対処しやすくなりますので、ここでは30代でキャリアに悩む人が多くなる原因について知っておきましょう。
今後の将来に対する不安
ビジネスを取り巻く環境は常に変化します。将来の変化の予測は難しいため、未知の変化に対する恐怖、さらにその変化に自分は対応していけるのかといった不安が原因となり、将来のキャリアに不安を持つようになる人は多いようです。変化に対してどう対処していけば良いか、その方法が分からないままで悩みが長期化していく人も少なくありません。
自分の価値やキャリアに不安がある
30代になると、ある程度社会人として経験を積んできて、自分との周りとの差や職場における立ち位置が見えてきます。そのとき「このままで良いのだろうか」と不安を感じ始める人も多いです。
30代は同期とのキャリア差が出始めやすい時期なので、同期にキャリアで先を越されてしまったことが原因となり、自分の価値を疑い始める人も出てきます。さらに、同期に追いつくために何をすれば良いのかが分からないままだと、このまま自分は会社に残れるのだろうか？ここにいて出世できるのだろうか？と悩むことが増えてしまい、ますます負のスパイラルに陥ってしまうこともあります 。
自分の価値やキャリアに不安がある方に「RYOMEI」がお勧めです。2,000人以上のビジネスパーソンを分析してきたプロが、強みや好きを活かしたアクションプランを作成してくれます。
キャリアに専門性がないと感じている
これまでの仕事が誰でもできるルーティンワークばかりだった人や、何となくで仕事を続けてきた人は、これまでの自分のキャリアに専門性がないと感じ、今後のキャリアに不安を感じる人は多いです。
また、30代までに既に何度も転職を繰り返してきた人も同様に、一貫性のない自分のキャリアに自信が持てず、将来のキャリアに不安を感じてしまうことがあります。
今の仕事に不満がある
自分ではなく、今の仕事や職場に問題を感じるケースもあります。例えば、今の仕事が自分に合っている気がしない、やりがいを感じないといった場合には、キャリアに関して悩み始める原因となります。
また、自分では一生懸命努力しているにもかかわらず、会社側がそれをきちんと評価してくれていないと感じた場合も、キャリアについて悩み始める原因となります。
プライベートの問題
30代は結婚や出産と言った、プライベートで起こる大きな変化が原因となり、キャリアに悩み始めることが増える時期でもあります。
特に、今の日本社会はまだまだ出産、育児休暇や、その前後でのキャリア中断、復帰に対する支援が十分ではないので、プライベートの問題は女性のキャリアに関する悩みの原因になりやすいです。また近年では、男性の家事や育児への積極的な参加が求められる時代になってきているため、この問題は男女共通の問題にもなりつつあります。
それから、現在のZ世代を中心として、仕事だけでなく、自分のプライベートな時間も重視したいという価値観を持つ人が増えているため、仕事とプライベートの両立が上手くいかないことが原因となり、キャリアに悩むパターンも増えています。
立場の変化
教えてもらう側だった20代の頃と違い、30代は責任ある立場に就くことも増える時期です。ただ、責任ある立場を無難にこなすには経験がまだ不足しているため、上司と部下の板挟みになり、悩みやすい時期でもあります。そこにさらに、職場からのサポートが十分でない場合には、今のキャリアをこのまま続けていて良いのかと悩むようになることがあります。
30代になって「自分のキャリアに不安を感じている」方々は、キャリア形成のサポートとして外部のキャリアコンサルタントを利用することをおすすめします。特におすすめなのは、ポジウィルキャリアのサービスです。「30代での転職は難しい」「この年齢でキャリアプランを練るのは手遅れだ」と思っている方も、今の悩みの解決策となるかもしれませんので、以下の記事をぜひ読んでみてください。
いくつ当てはまる？キャリア迷子の人に多い悩みがこちら
キャリア迷子になりやすい人には、多くの共通する悩みがあります。そのいずれもが複合的に絡み合い、キャリア迷子の解決を難しくすることもあります。
もしここから紹介する内容に共通する部分が多いと感じたら要注意。後から紹介するキャリア迷子の対策を、しっかり読むことをオススメします。
どう行動したら良いか分からない
キャリア迷子に陥った多くの人は、「自分が何をすべきか」「今の仕事で本当に良いのか」という疑問を抱えます。
自分らしい働き方を模索しながらも、具体的な行動や方向性がまったく分からないため、具体的な行動に移すのができず、長期間悩み続けることになります。
自分に自信が持てない
「自分には誇れるような特別な経験やスキルはない」「自分の強みがまったくわからない」といったことも、キャリア迷子によく見られる話です。
キャリアに明確な軸がないまま、ただ年数だけが増えていくことは、自信の欠如につながってしまいます。
将来に希望を持てない
仕事に対するやりがいや、自分への自信のなさから、キャリアの将来に希望を持てない人は多いです。さらに、会社や自分のいる業界の将来の見通しが悪い場合にも、将来に希望を持てなくなることもあります。
特に自分ではコントロールできない状況に陥ることは、強い無力感を抱えることになり、将来のキャリアへの希望を失わせる大きな原因にってしまいます。
転職したいができない
キャリア迷子から脱するために転職が良い機会になると考えていても、行動できない場合があります。
たとえば、収入減少の可能性があることへの恐れは、転職に踏み切る勇気が出せない原因となりやすいです。さらに養うべき家族があると、余計に転職に踏み切れなくなります。
このようにして、現状を変えたいけど変えられないという板挟み状態になると、キャリア迷子に陥りやすくなってしまいます。しかし、近年では、30代の転職者は増えてきており、チャンスがない訳てはありません。以下記事では、30代が転職する際に知らないとまずい6つのコツを解説しております。転職できないと思っている方は、ぜひ一度ご覧ください。
以下のような方は要注意 キャリア迷子に陥りやすい人はこんな人
キャリア迷子に陥る人には、どうにもならない外的な要因のほか、自分自身の性格に起因する部分もあります。
自分に当てはまるものがないか、次からチェックして行ってみてください。
望まない異動があった
望まないポジションへの異動、左遷は、仕事に対するモチベーションを著しく下げる原因になります。
望まない環境に身を置きながらも、その環境をどうすることもできない場合、キャリア迷子に陥る可能性が高くなります。
私生活での変化
予期せぬ変化は仕事だけでなく、私生活においても現れることがあります。
親族の介護、自身の病気やケガなど、私生活での大きな変化は、求職や転職などを行う原因となり、キャリアに大きな影響を与えることがあります。
近年では、男性も育児休暇を積極的にとる流れが生まれつつあります。しかし、女性においても出産、育児によるキャリアの中断が大きな問題となっている現状、男性においても育児休暇の取得がキャリアに影響を及ぼすことは容易に想像できます。
このように私生活における大きな変化も、キャリア迷子に陥る原因となることがあります。
転職に失敗した
転職に失敗すると、キャリアの行き詰まりを感じやすくなります。新しい職場で期待通りにいかなかったり、すぐ辞めてしまった場合には、今後のキャリアに不安を抱える原因となります。
さらに転職を繰り返すことは悪循環を生む場合があるため、どうすることもできずにキャリア迷子状態に陥ってしまう人は多いです。
本人の性格
周りに流されやすい人、人を頼るのが苦手な人、変化に柔軟に対応できない人もキャリア迷子になりやすい傾向があります。
周りに流されやすい人は、キャリアにおける軸が形成されにくいので、自分でキャリアの舵取りをしている実感を持てず、自信がないまま働き続けることになります。
また、人を頼るのが苦手な人、変化に柔軟に対応できない人は、状況にうまく対応する方法が分からないままになりがちなため、キャリア迷子に陥りやすくなります。
逆になりにくい人はどんな人？
自分やキャリアの軸を持っていて、明確な価値観や目標を持っている人。このような人たちはキャリア迷子になりにくい人たちです。
自分のキャリアを自らコントロールしている自覚がある人は、キャリアに対する目標も立てやすく、前向きにキャリアに向き合えるため、キャリア迷子になりにくいようです。
キャリア迷子から抜け出す対策6選
30代はクォーターライフクライシスが起こりやすい時期なので注意
クォーターライフクライシスとは、20代後半から30代の時期に陥りがちな、漠然とした不安や焦りを感じたり、幸 福度が低下しやすくなる時期のことを指す言葉です。主に海外のアメリカやイギリスでは一般的に浸透している言葉ですが、日本ではまだあまり一般的には浸透してはいません。
30代が感じるキャリアの悩みや原因の中でも触れたように、30代という時期はキャリアだけでなく、自分の人生やプライベートについても大きな変化が起きやすく、悩むことが増える時期でもあります。
クォーターライフクライシスの時期に悩みやすくなる理由は、自分の抱いていた理想と現実のギャップが原因となり起こると言われています。若い頃に抱いていた大人になっての生活や仕事に対する希望と現実のギャップ、大人になってから直面する経済的な問題や人間関係、そういったものが複雑に絡まり合って起こると言われています。
クォーターライフクライシスには5つのフェーズがあるとされていて、その内容には諸説ありますが、
1）問題や不安の認識
2）現状からの脱出を模索
3）不安定な変化の時期
4）再構築
5）新たな段階へ
といった流れを通じて、解決に向かうとされています。
原因は人により様々ですが、このような言葉が存在していることから分かるように、自分だけではなく、誰しもが通る道であるとの認識を持ち、焦らず、でもしっかりと問題を認識し、対策に取り組んでいくことが、クォーターライフクライシスの適切な乗り越え方と言えるでしょう。このために役立つ対策を以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
30代キャリアの悩みを放置すると、こんなトラブルの原因に！
もし、30代に多いキャリアの悩みに真剣に向き合わず、放置したらどうなってしまうのか？そこには暗い現実しか待っていないのは薄々お気づきでしょうが、具体的にどうなるかしっかりと知っておきましょう。
仕事が苦痛になる
いまのキャリアについて「このままで良いのだろうか」との気持ちを持ったまま仕事を続けることは、その疑問や不安を抱えたまま生活することになり、仕事の様々な場面で満足度を下げる原因となるでしょう。それはやがて、簡単な仕事ですら苦痛に思えるようになり、今の仕事を続ける力を完全に奪ってしまう結果になることさえあります。
ミスが多くなる
仕事に対する前向きな姿勢がなくなると、仕事に対する集中力やモチベーションも低下し、仕事の生産性が悪くなり、ミスも連発するようになることもあります。とりかえしのつかないミスをしてしまう前に、早い段階で対処を行っておきたいところです。
心の調子を崩す
今のキャリアに対する不安や不満を抱えたまま仕事を続けることは、毎日大きなストレスを感じ続けるなどが過ごすことになります。負の感情を受け続けた心は、やがて不調を来たし、うつ病などの深刻な事態を招く場合があります。
転職を繰り返すようになる
転職はキャリアの悩みを解決する方法の1つではあります。しかし、無計画に転職をしてしまうと、結局は問題解決にならず、次の職場でも前と似たような悩みや不満を抱えてしまい、またすぐに転職、と言うことを繰り返してしまう恐れがあります。
【要注意！】 絶対にやってはいけないNG行動がこちら
30代キャリアの悩みを解決するに当たり、絶対にやってはいけないNG行動があります。それは「何も考えずに行動すること」です。
30代で起こりやすいキャリアの悩みは、何も行動しないのも問題ですが、何も考えずに行動することも、大きな問題を引き起こす原因となるので注意が必要です。
たとえば、キャリアに悩んで追い詰められた人がよく取る行動が、転職するといった選択肢です。先ほどもご紹介したように、何も考えずに転職をすると、その後も転職を繰り返してしまうとお伝えしました。
特に3年以内に転職を繰り返す人はジョブホッパーと呼ばれ、多様な経験やスキルが得られるメリットがある反面、転職回数が多くなる度、雇用主からの信頼の低下を招き、徐々に転職先に苦労するようになると言われています。転職によるスキルアップが一般的な欧米であればプラスに働くことが多いかもしれませんが、まだ古い慣習が残る日本ではマイナスの影響が出やすくなる可能性もあります。
キャリアに悩む原因が何であれ、何も考えずに行動することは絶対にしてはいけません。この後紹介する対処法を参考にしながら、自分と自分を取り巻く環境の将来についてしっかりと向き合いながら、適切な対応をしていくことを心がけましょう。
30代でキャリアに悩む人におすすめの対処法5選
ここからは30代でキャリアに悩んでいる人におすすめの5つの対処法をご紹介していきます。全ての対処法を実施する必要はありませんので、あなたに合っていると思える対処法を選択して、キャリアの悩みに向き合う一助にしてみてください。
自分を見つめ直す
今後の自分のキャリアを考えるに当たってまず大事なことは、今の自分に何があって、何が足りないのか？を明確にすることです。そのためには、現状の自分を詳しく分析する必要があります。
自分には大した価値がない、キャリアがないと感じる人は多いですが、分析してみると意外と多くのものを持っていることに気づくことも多いです。特に、日本人は自己肯定感が低く、自分を過小評価している場合が多いため、自分のスキルやキャリアをしっかり見つめ直してみると、案外たくさんのものを持っていることが分かり、自信を取り戻して、今後のキャリアに明るく前向きに取り組めるようになる場合も少なくありません。
具体的にどうすれば良いかについては、今悩んでいることは何か？それに対する自分の持っている強みは何か？足りないものは何か？今後どうなりたいのか？を、実際に書き出してみましょう。その上で、今後のキャリアどうするか？のキャリアプランを練っていきましょう。
また、第三者の意見を聞く、診断サービスを受けるというのも、自分では気づかない部分に気づける方法なのでオススメです。身近な上司や友人に相談したり、転職やキャリアの相談サービスを利用するのも手です。ただしその際は、他人の評価に振り回されすぎないよう、参考程度に留めておくのが良いでしょう。
自分を変える
自己分析が完了して、いまの自分に足りないものが明確になり、それが今後のキャリアに必要なものであることが分かれば、今からそれを足していく努力をしていくのが良いでしょう。たとえば、新しいスキルや資格に挑戦するのも1つの手です。
また、今後の自分のキャリアを、特定の分野を突き詰めてスペシャリストになるのか、それともどの分野にも幅広く精通したゼネラリストになるのか、と言った方向性も考えてみるのも良いでしょう。
環境を変える
今の自分を分析して、自分の環境を変えることが必要だと分かったら、環境を見直す行動に取り組んでみましょう。
今と同じ業界、仕事で上に進みたいならキャリアアップを、今の仕事や業界が向いていないと思うなら、思い切って環境を変えるキャリアチェンジを考えてみても良いでしょう。その際も、必要に応じて自分に合った転職サービスを探して相談してみるのも良い手段となります。
また、今の職場における環境を変えるのも対策の1つになりみあす。とは言っても、周りを変えるというのは難しいので、まずは自分の考え方や行動、仕事の内容を変化させていくことを考えてみてください。
たとえば、どうしてもやりたくない仕事なら業務内容の変更や配置転換を申し出る、今の仕事の中にやりがいがないか深掘りしてみるなどして、今の環境を変える努力をしてみましょう。以下記事では、キャリアチェンジの成功ポイントについて解説しております。環境を変えたい方や挑戦してみたいと考えている方はぜひご覧ください。
新しいことにチャレンジする
今までの自分には無い、新しい刺激を取り入れてみるのも良い対処法になります。
視野を広げるのにおすすめなのが読書。本は新しい知識を手に入れるのに役立つ手段ですので、今まで取ったことのない本でも積極的に読んでみると、新たな気づきが得られるかもしれません。
また、日常のつながりの中とは、全く別のところで新たなつながりを持つのも良い刺激になります。違う業種とつながることができるビジネス交流会や、今まで挑戦したことのない趣味のサークルなどで新しい人達に出会うと、思いもよらない気づきが得られることがあります。また、日常のつながりの中とは、全く別のところで新たなつながりを持つのも良い刺激になります。違う業種とつながることができるビジネス交流会や、今まで挑戦したことのない趣味のサークルなどで新しい人達に出会うと、思いもよらない気づきが得られることがあります。
仕事以外を充実させる
仕事は仕事と割り切り、それ以外のプライベートを充実させるのも一つの手です。仕事をコントロールするのが難しい人でも、プライベートの充実であれば実行しやすいことが多いでしょう。
趣味の時間を増やす、家族や友人、恋人との時間を増やす、新しい趣味やアクティビティを始めてみる。プライベートで充実した時間が増えていけば、多少の仕事の苦労は気にならなくなり、「プライベートを楽しむための仕事」と割り切って、肩の力を抜いて仕事ができるようになれるかもしれません。
また、今まで働き過ぎだった人は、可能な範囲で残業を減らしたり、有給休暇などの休みを積極的に取るなど、プライベートに分ける時間を確保する努力をしてみるのも良いでしょう。
以下記事では、30代の方向けに21種類の趣味をご紹介しております。ぜひご参考にしてみてください。
ャリア迷子から抜け出す対策6選
ここからはキャリア迷子に陥った人が、今の状況から抜け出すために役立つ対策を6つ紹介していきます。
実践できる対策から取り組んでいき、あなたがキャリア迷子から脱出するためにお役立てください。
専門家に相談する
キャリア迷子を脱するために、一番のオススメは周りを頼ることです。
キャリア迷子は一人で思い悩むことが多くなるため、同じ思考ばかり繰り返したり、マイナス思考の連鎖に陥ってしまいがちです。
そのようなときは、外部の助言を頼るのが一番です。職場に信頼できる同僚や上司はいないでしょうか？同じ仕事のことが分かる人に相談できるのは心強いものです。
家族がいる場合には、これからの生活を支え合う仲ですので、一緒に問題に向き合ってもらいましょう。
また、身近な人以外に、専門家に相談することもオススメです。たとえば、あなたに寄り添って悩みを解決してくれるキャリアカウンセラーやコーチングなどのサービスは、あなたのキャリア迷子の悩みをしっかり受け入れてくれて、適切なアドバイスを与えてくれることでしょう。
転職について悩んでいるなら、転職エージェントに相談してみるのも良い手です。キャリア迷子に陥った人は、周りにアドバイスを求めることで、新たな視点を得て、問題の解決に向けて歩き始められるでしょう。
したいこと、したくないことを明確化
真面目な日本人は責任感を優先しがちで、自分のしたいことを後回しにする傾向があります。しかし、これでは幸せな人生を送るのは難しいでしょう。
キャリア迷子から抜け出し、前向きに人生を生きていくためには、まずは自分の価値観を再考してみましょう。
キャリアだけでなく、自分の価値観や私生活も含めて考えることをキャリアデザインと言います。
あなたがしたいこと、したくないことは何か？どのような仕事が合っているか、または合わないかを考え、あなたがやりがいを持って進めるキャリアをデザインしてみてください。
キャリアの軸を決める
自分の価値観を明確にしたら、次はキャリアの軸をどこに置くかを考えましょう。
このとき大事なのは、キャリアの軸とは特定の業界や職種に縛られるものではないと言うことです。
あなたが持つ経験やスキルだけでなく、あなたが元から持つ特性についてもしっかり考慮に入れて考えましょう。営業に向いている人もいれば、研究職に向いている人もいます。
あなたにふさわしいキャリアの軸をぜひ考えてみてください。
働き方を変える
キャリアデザインを行い、自分がどうしたいのかが分かってきたら、具体的に働き方を変えていきましょう。
いろいろと考えて転職の方が良いという結論に至ったなら、それも立派な決断です。
最近では、柔軟なキャリアの考え方としてプロティアンキャリアというものがあります。
プロティアンキャリアとは、自分自身の価値観や目標に合わせながら、周りの変化に合わせて柔軟にキャリアを形成していくという考え方です。終身雇用制度が薄れ、キャリアの自由度が上がってきた現代に合った考え方です。
最近では、ポジティブなキャリアダウンを選択する人も増えています。
ポジティブなキャリアダウンでは、収入の減少などのキャリアダウンによるマイナス面より、より自分自身の生き方を尊重します。ワークライフバランスのとれた働き方は、より満足度の高い生き方をもたらしてくれます。
知識、スキルを身につける
いまのキャリア迷子の状況から抜け出すために、新しいスキルや知識を身につけることは、自身を成長させることにつながり、キャリア迷子から抜け出す助けになります。
自身のスキルを高めたり、新たな知識や資格を身につけることは、エンプロイアビリティ（雇用可能性）を高めると言われています。エンプロイアビリティを高めれば、転職が成功する可能性も高くできます。
また、キャリア迷子に関する本を読むこともオススメです。小林さとり氏の”キャリア迷子 自分らしく働けない人のための「生き方提案」”は、キャリア迷子に関する本として評価が高いため、一度読んでみても良いでしょう。
戦略的キャリアダウンを考える
戦略的なキャリアダウンとは、キャリアアップの土台を作るために、計画的なキャリアダウンを行うことです。
たとえば、大企業からスタートアップへの転職や、国内の企業から海外の企業に低いポジションで転職することが例として挙げられます。
戦略的キャリアダウンは、短期的には一歩後退するように見えますが、自分にとってプラスとなるスキルや経験を獲得できるため、長期的にはさらに高いキャリアを目指すことが可能となります。
まとめ
30代でキャリアに悩む原因は、男女間で多少の差はありますが、いずれの場合にも共通することは、現状をしっかりと把握して、今後どうするかをしっかりと考えることが大事だと言うことです。そのためには、自分に向き合う時間をきちんと取り、今の自分にあるもの、足りないものを明確にし、時には周りの助けも借りながら、今後のキャリアプランを真剣に考えていく必要があります。
クォーターライフクライシスと言う、将来に不安を持ちやすく、幸福を感じにくくなりやすい時期である30代において、キャリアの悩みは、放っておくと今後のキャリアや心の問題にも発展することがあるため、決して放っておいて良い問題ではありません。
また、働き方の変化やAIの台頭などの社会における急激な変化や、日本特有の原因も関係して、今後ますます増えていく可能性があります。
自信を失い、どう行動すれば良いか分からなくなり、八方塞がりな状態に陥ってしまう状態が長く続くのは良いことではありません。とくに望まない移動やプライベートの問題、元から周りの影響を受けやすかったり、周りを頼れない人は注意が必要です。
こういったキャリア迷子から抜け出すには、周りの力を借りることが有効です。周りの助けを借りながら、自分が何を大事に思っていて、どう生きていくのが幸せなのかといったキャリアデザインを行っていきましょう。
現在は、終身雇用制度も薄れ、自由な働き方が徐々に浸透しつつあります。柔軟な働き方を念頭にして、時には戦略的なキャリアダウンも視野に入れながら、キャリア迷子からの脱却に取り組んでいってください。
最近では、スキルとキャリア両方の面から支援してくれる転職エージェントも出てきていますので、スキルアップをしながら転職しやすい人はこういったサービスを利用するのもオススメです。
今回ご案内した対処法のうち、取り組めるものから少しずつ取り組んでいき、あなたの将来に対する明るい道が照らされていくことに、この記事が少しでも役に立てば幸いです。