30代はキャリアアップに最適なタイミングとも言われます。キャリアアップに成功すれば、給与などの待遇面でのステップアップが見込めますが、成功のためには注意すべきポイントを押さえておく必要があります。
この記事では30代のキャリアアップの際に知っておくべきこと、注意しておくべきことをまとめてご紹介し、キャリアアップを成功に導くお手伝いをいたします。
【この記事で伝えたいこと】
・キャリアアップには社内で行うキャリアアップと転職によるキャリアアップがある
・自分のスキルなどを見誤るキャリアアップ転職に失敗する可能性がある
・自分の持つスキルや経験、目的を明確にして、計画的にキャリアアップに望む必要がある
・30代のキャリアアップにはポータブルスキルが重要
30代のキャリアアップで最初に考えるべき事とは？
30代でキャリアアップを考える際、最初に考えるべきことは、キャリアアップを社内で行うか、それとも転職して行うかということです。
どちらにもメリットとデメリットがあるので、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
社内でキャリアアップする
社内でキャリアアップすることは、役職が上がる昇進と、職務遂行能力が評価されて等級が上がる昇格の2通りがあります。
社内でキャリアアップすることには、現在の会社で培ってきたスキルや経験をそのまま活かせる、人間関係や社風に慣れているためスムーズに仕事に取り組める、転職に比べてリスクが少ないと言うメリットがあります。
一方、デメリットとしては、競争が激しく昇進・昇格のハードルが高い場合がある、新しいスキルや経験を身につける機会が社内のやり方に限定されるなどがあります。
社内でキャリアアップを目指す場合には、現在の会社内におけるキャリアアップの具体的な道筋や、昇進・昇格のために必要な資格やスキルなどの条件をしっかり把握して、計画を立てることが重要です。
また、管理職になるためにジェネラリストを目指すか、専門職を目指してスペシャリストを目指すかの方向性についても考えておくと良いでしょう。
転職でキャリアアップする
転職には、通常の転職とキャリアチェンジの2パターンがあります。
通常の転職では、いまと同じ業界や職種でキャリアアップを目指せます。
通常の転職には、これまでに培ったスキルや経験を活かせる、新たな人脈を作れる、転職を機に有利な条件面で働けるなどのメリットがあります。
デメリットとしては、新しいスキルや知識を得る機会が限られたり、転職先でなじめない可能性などがあります。
一方、キャリアチェンジでは、これまでと異なる新しい業界や職種に転職することになります。
キャリアチェンジをすると、新しい業界や職種に挑戦して自分の可能性を広げられること、新しい環境でモチベーションを高くして働けるなどのメリットがあります。
一方で、新しい知識やスキルを身につける必要があったり、収入が低下しやすいというデメリットも存在しています。
以下記事では、30代で転職を成功させるコツを6つ紹介しております。30代で転職を考えている方は必見です。
キャリアアップとキャリアチェンジどちらを目指すのが良いか？
同じ社内でキャリアアップする場合や、同じ業界、職種で行う転職であれば、経験やスキルに磨きをかけてキャリアアップすることは比較的容易です。
しかし、キャリアチェンジの場合は全く新しい業界や職種になるため、それまでのキャリアの流れが途絶えてしまうことがあります。この場合はキャリアアップとは見られない場合があるため注意が必要です。
キャリアアップかキャリアチェンジか、どちらかで迷った場合には、現在の仕事に対する満足度や、仕事だけでなくプライベートも含めた今後の目標や価値観から考えてみることをオススメします。
キャリアアップが向いている人
現在の仕事にやりがいを感じていて、より高いポジションや好条件を目指したい人は、キャリアアップが向いています。
キャリアチェンジが向いている人
現在の仕事にやりがいを感じていなくて、新しい業界や職種に興味がある人は、キャリアチェンジを考えてみても良いでしょう。
30代でのキャリアアップは、人生の分岐点とも言える重要な選択になります。自分に合ったキャリアプランをしっかりと立てて、納得のいく進路に進むことを心がけることが大切です。
30代がキャリアアップ転職にベストな理由とは？
30代はキャリアアップ転職にとって最適な時期と言われます。
その理由は、知識や経験がある程度備わっており、即戦力として期待できること。そして、現在の社会的な背景が関係しています。
経験が豊富で即戦力になるから
30代になると多くの人は、いまいる業界や職種において、それなりの知識や経験を積んでいます。また、人によっては管理職としてのマネジメント経験を有している人もいます。そのため、30代の人材は多くの企業から、即戦力あるいは管理職候補として期待されています。
さらに30代の人材は、40代や50代に比べるとまだまだ柔軟性に富むため、新しい環境においても適応しやすく、業務内容を吸収しやすいという面があり、こちらも転職に有利に働きます。
社会環境による人材不足
少子化が進む日本社会では、とくに組織の中核を担う中堅層が不足しているため、即戦力となる30代に対しては高い需要があります。
また、近年の伸びの著しいDX業界やシェア拡大を目指す新興企業においては、ある程度知識と経験が豊富で、柔軟性にも富む30代は積極的に採用される対象となります。
30代でキャリアアップ転職に失敗するのはこんな人
30代はキャリアアップのための転職には絶好のチャンスですが、中には失敗するケースもあります。とくに次のポイントに当てはまる人は、転職に失敗しやすくなるため注意が必要です。
高望みしすぎ
多くの人はキャリアアップ転職をする際には、役職や給与面などの待遇面で、今より高い条件を望みます。
しかし、自分のスキルや経験を過大評価して見誤り、非現実的な条件を求めてしまうと、転職に成功する可能性が低くなります。
転職を繰り返す
転職を何度も行っている人は、同じ仕事に長くとどまらないとの印象を持たれやすくなります。
とくに転職回数が3回を超えてくると、採用担当者からの印象が悪くなるため、転職が大きく不利になる可能性があります。
専門的なスキルや経験が不足
30代の転職活動では、20代の頃より高いレベルの専門的なスキルや実務経験が求められます。これは、企業が30代の人材に対して、即戦力となる人材を求めているためです。
とくに転職先が重視しているスキルや経験を事前にしっかりと把握し、自己のアピールポイントを明確にしておくことは重要です。
転職対策ができていない
スキルや経験以外にも転職を大きく左右するのが、履歴書等による書類審査と面接の際の受け答えです。自分のアピールポイントをしっかりと織り込んだ書類作りや、面接の際の受け答えの準備もしっかり行っておく必要があります。
とくに転職する目的や、キャリアに対する明確なビジョンが無いと、書類審査の際にも面接の際にも不利になってしまうので気をつけましょう。
30代の転職でキャリアアップで成功する人の特徴とは？
30代の転職は20代に比べると求人が少なくなるため、難易度は上がります。そのような中でも、キャリアアップで成功できる人たちには共通する特徴があります。
次からの成功しやすい人の特徴を知っておいて、転職活動を有利に進めていきましょう。
即戦力となるスキルがある人
30代のキャリアアップ転職において重視されるスキルには、ポータブルスキルとスペシャルスキルがあります。
ポータブルスキルとは、どの職場にも持ち込める汎用的なスキルのことです。たとえば、コミュニケーション能力、問題解決能力、企画提案力などがこれに当たります。
マネジメント力もポータブルスキルの一種です。チームを率いる能力やプロジェクト管理能力は、30代のキャリアアップ転職において高く評価されやすいです。
もう一つのスペシャルスキルは、業界や職種に関連した専門的なスキルです。
たとえば、IT業界であればプログラミング言語の知識、金融業界であれば会計や財務の専門知識などが該当します。
スペシャルスキルにおける経験が豊富であったり、評価が高まる資格を持っておけば、自分が高い価値を持つ即戦力であることをアピールできます。
経験、実績が豊富な人
30代でのキャリアアップ転職では即戦力が重視されるため、アピールできる経験や実績が豊富な人の方が断然有利になります。
これまでの職務でどのような成果を出してきたのか、どのようなプロジェクトを成功に導いたのかといった点については、転職先の企業が大きな関心を示すポイントです。
売上の増加、コスト削減、新しいビジネスモデルの開発などを具体的な数字と共に紹介できれば、転職先の企業に対して大きくアピールできます。
適応力が高い人
即戦力として求められる30代は、新しい環境に素早く適応できる柔軟性も求められます。
とくに、これまで経験したことのない業界や職種に転職する場合は、これまでの経験で生かせる部分は新しい職場に生かしつつ、新しい業務や役割に迅速に適応できることが求められます。
30代のキャリアアップ転職を成功させる6つのポイントとは？
ここからは、30代でのキャリアアップ転職を成功に導くため、とくに重要なポイントを6つに分けて紹介していきます。あなたのキャリアアップ転職を成功させるためにご活用ください。
企業が求めるポイントを把握する
キャリアアップ転職を成功させるには、企業が求めるポイントを的確に理解することが重要です。
企業が採用の際に重視する経験やスキルなどを事前に把握しておくことは、書類審査に用いる履歴書等や、面接時に自分の経験やスキルを適切にアピールことに役立ちます。
企業の経営理念やビジョンなども確認しておきましょう。企業側が何を重視しているかを理解し、自分がそれに対してどのように貢献できるかを明確に示せるようになります。
キャリアやスキルの可視化、棚卸し
自分自身のキャリアやスキルを目に見える形で書き出し、自分に何ができるのか、どのような経験を持っているのかを明確にすることも重要です。
売上の増減、指導した部下の人数、関わったプロジェクトの規模などといった、具体的な数値や客観的な指標を明確にすることで、自分の実績をより具体的に示すことができます。
所有する資格についてもしっかりと書き出し、必要に応じて次の職場に有利な資格の取得も考えましょう。
キャリアアップの目的を明確にする
とくに転職によるキャリアアップを行う場合は、その目的を明確にしておく必要があります。どのような職種や業界を目指し、何が目的で転職を目指すのか？希望する待遇、条件はどの程度か？などを明確にしていきましょう。
転職の目的や求める条件、方向性などが具体的に決まれば、次の行動が明確になり、転職活動を効率的に進められるようになります。
計画性を持って行動する
目指す方向性が決まったら、次は行動プランを明確に立てましょう。在職中の転職活動は忙しくなりがちなため、計画を立てて行動することが転職成功に重要です。
30代の転職はその後の40代、50代のキャリアに大きく影響するため、しっかりとしたキャリアプランを描き、戦略的に動くことを心がけましょう。
他の人にアドバイスを求める
時には他の人の意見を聞くことも役立ちます。あなたのことに親身に相談に乗ってくれる上司や同僚がいれば、相談することで自分には無い視点から思わぬ重要なアドバイスを得られることがあります。
また、転職の際には転職エージェントを利用することも役立ちます。
転職エージェントは、転職市場における深い知識や情報を持っているため、専門家の立場から、より具体的なアドバイスを得られます。
転職エージェント経由での書類選考や面接に落ちた場合、直接企業に応募しても良いか？を気にする人もいますが、再度企業に直接応募することは可能です。実際、直接応募で採用される事例もあります。
ただし、転職エージェント経由において、何らかの理由で落ちているため、応募書類等に改善点がないかをしっかりと見直してから応募するようにしましょう。
転職先をしっかり見極める
転職先を選ぶ際には、多角的に情報収集することが大切です。企業の公式サイト、ソーシャルメディア、業界ニュース、従業員の口コミなどを通じて、企業についてのできる限りの情報を集めましょう。
表面的な情報はポジティブな情報が多いため、可能であれば実際に働いている人に直接確認をしてみるのもオススメです。
企業の持つ価値観と、自分の価値観やキャリアの目標とどれだけ合致しているかも重要なポイントです。
キャリアアップ転職しやすい職種は？
30代のキャリアアップ転職しやすい職種を選べば、高待遇で転職につながりやすくなります。ここでは、キャリアアップ転職においてとくに有利とされるいくつかの職種を紹介します。
コンサルタント
コンサルタントは、これまでに高めた経験や専門性を活かすために最適な職種です。経験と知識を積んだ30代は、ビジネスの課題解決や戦略立案といった分野で活躍できるため、転職先でも重宝されます。
また、コンサルティング分野は高収入を得られる分野なので、キャリアアップを目指す人に適しています。
ITエンジニア
ITエンジニアは、近年とくに伸びの著しいDXの分野で、需要が高まっている職種です。
プログラミング、システム開発、ネットワーク管理など、幅広い分野での人材不足が続いているため、経験豊富なITエンジニアは高く評価されます。
人材不足から、未経験者の採用も行われることも多く、キャリアチェンジよる転職においてもオススメの職種となります。
WEBマーケター
デジタル化が進むビジネス分野において、マーケティングとWEBの双方に通じるWEBマーケターは需要が高い職種の一つです。
企画や提案ができる人材は、多くの業界で需要があり、オンライン広告、SNSマーケティング、SEO対策などの様々なWEB関連のスキルは、多くのビジネスにおいて必要とされています。
WEBマーケティングの知識が深い人材は、他の業界への転職時において強みとなることが多いです。
転職先をしっかり見極める
営業職はコミュニケーション力や提案力があれば、他業種から転職でも受け入れられやすい職種として知られています。とくに金融系や不動産業界では成果報酬の部分があるため、実力次第で高い報酬を得ることも可能です。
対人のコミュニケーション力に優れていて、高額な報酬や実力主義の環境を求める人には、適した職種と言えるでしょう。
キャリアアップ転職に役立つ資格の取得も考えよう
30代のキャリアアップ転職において、資格は大きな武器となり、転職の成功率を上げ、好条件での採用にもつながります。
たとえば宅地建物取引士は、キャリアアップ転職でもオススメな不動産業界への転職には、ほぼ必須とも言える資格です。宅地建物取引士の取得は、専門の予備校やオンライン講座を利用することで、比較的短期間の半年から1年ほどで取得が可能です。
また、ファイナンシャルプランナーもキャリアアップ転職に役立つ資格です。とくに金融業界や保険業界へのキャリアアップ転職が有利になります。ファイナンシャルプランナーの資格取得までの目安は、受験するレベルにもよりますが、比較的取得しやすい2級や3級の場合であれば、3か月から5か月程度での取得も可能です。
キャリアアップのために資格を取得する際は、転職先での業界で需要があるか、長期的なキャリアの成長につながるかも考えて資格を選択するようにしましょう。
自信がある人はハイキャリア転職も目指そう！
ハイキャリア転職では、企業の管理職や幹部待遇でのポジションのように、いまよりも上の職種に転職することで、給与などの条件でも大幅なレベルアップが見込めます。
現在ではハイキャリア転職専用の転職エージェントも登場していますので、自らのスキルや経験に自信がある人は、より上のクラスを目指せるハイクラス転職を目指すことで、さらなるキャリアアップを実現していきましょう。
まとめ
30代からのキャリアアップを考える場合、社内でのキャリアアップのほか、転職してのキャリアアップも選択肢となります。転職の場合は、さらに未経験の業界や職種への転職を行うキャリアチェンジという選択肢もあります。
キャリアアップにおいて、とくに関心が高い人が多いキャリアアップ転職は、即戦力となる30代に対する需要は高まっています。
ただし、自分に見合った転職先を選択しなければ、キャリアアップ転職は失敗してしまうため、自らの持っているスキルや経験をしっかりと認識し、転職に向けて計画的に行動することが重要です。
30代での転職によるキャリアアップで転職しやすい職種や、転職が有利になる資格も考慮しながら、より上のレベルに成長できるキャリアアップを目指していってください。